その5:
を探しに
 

 我が家の近くを散歩しました。去年咲いていたのと同じ所にクロッカスや水仙が咲いていました。ソメイヨシノは花芽が大きく膨らんで、今にも咲きそうでした。もう、春なんですね。一年前と同じに見える自然。同じ所に、同じように、咲いている花達。私は?

 抗がん剤の話の続きです。
 
一口に抗がん剤と言っても50種類以上あるのだそうです。そして、患者の病気の種類によって組み合わせや量も変わるので、その種類たるや。

 私が始めにしたのは、クランベリージュースのような赤い薬でした。病室はガン研究所の6階にあります。病室には、3〜4名が抗がん剤の点滴を受けられるようにリクライニングシートが備わっていて、トイレも病室内あります。人によっては2時間くらいかかるのです。また、点滴には、薬を和らげる水もあり、点滴中にトイレに立つ人もいます。私の場合は約1時間でした。で、終わってトイレに行くと、ピンクのお小水がでます。血管を通るので、その循環の早さにビックリ。

 私の場合の副作用は、嘔吐はないのですが、味覚がなくなるのです。これって結構つらいものですね。熱がでると、味覚がなくなるでしょう?同じ感じです。そして、妊娠した時のように、食べ物の嗜好が急に変わるのです。で、思い出してみると、身体によくない、と避けてきたものばかり。料理をしても味が分からないので、出来合いの調味料を使うしかないと言う感じ。一番つらいのは、 喉や胃を押さえつけられているような感じ。これがあると、気分も最悪。落ち込んでしまいます。最初の1週間が過ぎると、楽になります。

 今回は、直後はすごく元気だったのですが、その後つらくなり、気持ちも落ち込んでしまいました。で、2日間に渡ってワンワン泣きました。たまには声をだして泣くのも大事ですね。泣いたって、何時間も泣けるわけではないし、泣く事自体「癒し」効果があると聞いています。そうしたら、少しすっきりして、また頑張ろうという気持ちがでてきました。
 

 
 
夫には感謝しています。つらくなると、私はまるで駄々ッ子になってしまうのです。頭と心と身体が違う事を言うのです。「いやだ、いやだ。もうしたくない。」そんな私をなだめすかして、なんとか笑わせようと、おどけて見せて。毎月の結婚記念の日には大きな花束を抱えて帰ってきます。結婚してからかかしたことはありません。病気をして、二人の絆が深くなったことは、本当に良かったと思います。もう、十年も一緒にいるような安心感があります。そういう意味で、私は幸せ者です。

 3月13日に、教会で開催される現代アートとファッションのショーに出演することになりました。坊主頭にメイクをして、4分くらい神様を演じます。今年の始めに「ラララ ヒューマン ステップス」を見た時に、「今度舞台に立つ時は、坊主頭でやったら、カッコイイだろうなあ。」と思ったのですが、どうせ坊主なのだから、「普段できない、しない事をしてみたい」と思い、やる事にしました。メイクをしてくれる、みのりさんが、色々考えてくれています。

 夫と話していて、文化の違いで面白かったのは、日本では親も裸になって子供をお風呂に入れたり、一緒に入ったりしますよね。子供の前で裸になる事は、珍しいことでもなんでもないですよね。銭湯なんていう文化もありますし、人前で、裸になる場面はあるわけです。でも、こちらの人は子供に親の裸を見せることはほとんどないのだそうです。お風呂をつかわせても、一緒にお風呂に入ることはないのだそうです。
 彼は、両親の裸を見た事はなかったそうです。こちらにも温泉はありますが必ず、水着を来て入ります。もっとも、ヌードビーチなんてものはありますけれどね。「子供がいつ性の違いを知るのだろう?」という話題で、日本の子供のほうが、早く気づくんじゃないかな。少なくともお風呂に入る時に、「お母さんとお父さんは違う身体をしてるんだ」って。

 私の日本での生徒の一人が、バイトしている丼やさんのメニューのチラシを送ってくれました。すごく美味しそうで、日本が恋しくなりました。バンクーバーにはいくら日本食レストランが多い(約350軒、内日本人経営が約50軒)といっても、日本にはかないません。日本のあそこのあれが食べたい!ここのこれを食べたい!って、次々思い出してしまいます。今ごろ、道明寺の桜餅とか、あのピンクの薄皮の桜餅が美味しいでしょうね!
 あー、食べたいなあ

 では、また!
                                                                                                    
    弥生

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